フランスをお手本に 4
このように見てくると、ラングランによって提唱された生涯教育という言葉は、単に教育に対する新しい考え方を示しただけではないということに気がつきます。
学校教育と社会教育、職業生活と余暇生活の両者が相互に有機的に結びついて、社会や人生のよりよき発展を導き出すような施策として、具体化していることがわかります。
つまり、学校教育では従来の主知主義的な傾向を脱してスポーツや余暇活動がとり入れられ、職業生活ではいつでも継続できる学習の機会が用意され、絶えず自己向上の機会を求めていくことができるのです。
また、今日のフランスの社会教育の原理は、ひと口にいえばアニマシオンであるといわれています。
この言葉の意味は、人間生活に魂を吹き込むことであり、機械文明によって阻害された人間性を回復し、主体的、創造的な生活を築いていくことです。
現代社会の教育は、このような人間性の回復と伸長を図ることが最も重要な課題でしょう。
学校教育と社会教育とは、変化する社会のなかでこのような人間の育成のために有機的な連携を保っていくことが必要なのです。
従来の社会教育では、このような目的を達成するために、さまざまな活動を指導援助する職員や指導者に欠けていました。
そこで現在フランスでは実践的な技術を持った社会教育の指導者養成にとくに力を注いでいます。
その指導者がアニマトゥールと呼ばれているのも、社会教育の新しい考え方を表しているものをいえます。
フランスの青少年教育は、このような新しい教育の理念と実践のなかで、従来の古い概念や様相を脱して、生気にあふれた展開を示しはじめているのです。