症状の発生する原因は?

われわれはとかく子どもの行動をただ「らんぼう」とか「おちつきがない」などと言って、すましていますが、これはほんとうは正しくありません。


同じように「おちつきがなく」ても、特に問題視する必要のないこともあるし、また注意して対応せねばならないこともあります。


そこでそのような行動のあらわれである症状にはどんな意味があるのでしょうか。


まず何かを訴えている危険信号という意味があります。


「チック症」といって顔の一部をピクッとひぎつらせる行動がありますが、これは緊張したときに神経質な子どもに多くみられるし、また、10歳児で今までなかった夜尿が急に多くなったりします。


何かその子どもの心のしこりのあらわれのこともありましょう。


次に、「迷惑ごと」というみかたがあります。

障害児を入れ物のほうで決めないこと

情緒障害学級と特殊学級との区別はどうもはっきりしません。


たとえば知恵遅れがあって同時に性格行動上の問題があると、どちらの学級が良いかは容易にきめられないのが普通です。


しかし、肢体不自由と精神薄弱の養護学校との区別はどうでしょうか。


最近のように重複した障害が多くなると、入級時の判定によって決めざるを得ません。


ところがこれが容易ではないので、結局は経過をみながら、その子どもに最も適した教育の場を決めていくことになります。


現在のところ養護学校間の自由な交流はまだ十分ではありませんが、将来は、このような相互交流が子どもの障害によって楽に行える必要がありましょう。


症状(あらわれ)にはいろいろなみかたができる

たとえば、ある男子の多動をある教師は家庭生活の反映であると考え、他の教師は知恵遅れによるものであると、また第3の教師は自閉症による……と考えます。


さらに年齢的に正常な多動なのだという意見もでます。


このような意見を集約したうえで、行動の意味づけをする必要があります。

・親が原因になっていると考えることは?


前のこととかかわりがありますが、われわれは行動問題や社会問題がおこると、とかく、生育歴や親子関係にその原因をもってきたがります。


たしかに、親や家庭が関与することは多いでしょう。


しかし、現在の行動が直接関係しているのかどうかは疑問です。


ときには親自身が自ら子どもの問題は自分に原因があると考え過ぎて、不安になるのが「母原病」などという言葉をはやらせることにもなります。


子どもの問題行動のみかた 2

しかし、あらかじめ子どもに病気のレッテルをはってしまうと、その子どもの行動はなんでもこれが原因であろうということになってしまう。


すなわち先入観が入ってしまいます。


A君はあくまでもA君、B子はどんな障害や病気を持っていてもやはりB子であることにかわりありまぜん。


個人的特徴こそどんな場合でも最も優先的に考えることです。


その上でいろいろな病気がその行動にどのようにかかわっているかを考えるのが順序です。


それには行動問題に理解のある医師の協力が必要です。


子どもの問題行動のみかた

よく問題行動児を報告するときに、まず第1に「病名」を冒頭にかかげることがありますが、これは正しくありません。


なぜでしょうか。


たとえば「微細脳損傷」などという言葉があります。


国語とか算数とかの特定の教科が良くできない。


手先がひどく無器用で、こまかな運動がほかの子どものようにできない。


おまけにその子どもの出産が重かった、ときくと、これを微細脳損傷またはMBDと名付けて、さてそうすればこの子どもにはどうすればよいかと考えます。


または脳に損傷があるのだから薬とか医者の治療が必要と考えます。


このような考え方は誤っているのです。


ダウン症とか脳性まひという身体の病気や脳の運動中枢の障害の病名の場合と、このようなMBDという微妙な行動と関係のある欠陥の場合とでは多少異なってはいます。

西ドイツの教育 2

(2)学校教育と社会教育

第2の点は、青少年をとりまく環境、とくに学校制度との関係です。

西ドイツの義務教育は、一応18歳までですが、15歳以上は必ずしも全日制の学校である必要はないのです。

週1~2日通学する職業学校でもOK。

実際、全日制の高等学校が準義務化されている日本とは異なって、西ドイッでは青少年の過半数は15歳で国民学校を出たのちに、職業学校に通いながら職業準備生活(徒弟)に入り、学校生活よりも社会生活にウェイトが置かれるのです。

また国民学校など、15歳までの通常の義務教育の学校では、ふつう授業は午後1時ごろまで。

青少年はその後の時間を地域社会で過ごすことになります。

その場合、一般に学校を中心としたクラブ活動などはなく、むしろそのようなスポーツ活動や文化活動は、地域の施設や団体を利用して行われているのです。

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西ドイツの教育

青少年運動といえば、すぐにドイツが連想されるほどドイツの青少年運動は一般によく知られています。

また、日本との関係においても、ドイツの青少年教育活動は、戦前のヒットラー・ユーゲントと大日本青少年団の交流、戦後の日独青少年交流、日独青少年指導者交流セミナーなどにみられるように深いつながりを持っているのです。

現代の西ドイツ青少年教育活動をより一層理解するためには、まず次の2点を承知しておかなくてはならないでしょう。


(1)青少年教育と青少年福祉

その第1は、青少年教育の領域ないしは範囲の問題です。

青少年教育としての活動の範囲をどこに置くかは、日本でも必ずしも明確ではないですが、西ドイツでは青少年にかかおる諸活動は教育的側面と福祉的側面がオーバラップして取り扱われていることが多いのです。

西ドイツでは一般に、学校および職場以外での青少年にかかわるすべての活動を青少年援助事業と呼び、行政的にもひとまとめに取り扱っています。

したがって、青少年援助事業は、いわゆる校外教育あるいは社会教育としての青少年教育だけでなく、保育に欠ける乳幼児や保護に欠ける青少年の問題・後見人制度・保護観察事業・矯正教育・職業指導・幼稚園など、極めて広範囲の事業を包括しているのです。

つまり、青少年活動・青少年教育・青少年にかかわる社会福祉などが青少年援助事業の名の下に総合的に扱われています。

このため、青少年教育関係団体といっても青少年団体もあれば福祉団体もあるのです。

指導者の養成も青少年援助事業のための指導者の育成であって、福祉分野で活動するものと青少年教育分野で活動するものが同一の資格免状であることが珍しくないのです。

フランスをお手本に 4

このように見てくると、ラングランによって提唱された生涯教育という言葉は、単に教育に対する新しい考え方を示しただけではないということに気がつきます。

学校教育と社会教育、職業生活と余暇生活の両者が相互に有機的に結びついて、社会や人生のよりよき発展を導き出すような施策として、具体化していることがわかります。

つまり、学校教育では従来の主知主義的な傾向を脱してスポーツや余暇活動がとり入れられ、職業生活ではいつでも継続できる学習の機会が用意され、絶えず自己向上の機会を求めていくことができるのです。

また、今日のフランスの社会教育の原理は、ひと口にいえばアニマシオンであるといわれています。

この言葉の意味は、人間生活に魂を吹き込むことであり、機械文明によって阻害された人間性を回復し、主体的、創造的な生活を築いていくことです。

現代社会の教育は、このような人間性の回復と伸長を図ることが最も重要な課題でしょう。

学校教育と社会教育とは、変化する社会のなかでこのような人間の育成のために有機的な連携を保っていくことが必要なのです。

従来の社会教育では、このような目的を達成するために、さまざまな活動を指導援助する職員や指導者に欠けていました。

そこで現在フランスでは実践的な技術を持った社会教育の指導者養成にとくに力を注いでいます。

その指導者がアニマトゥールと呼ばれているのも、社会教育の新しい考え方を表しているものをいえます。


フランスの青少年教育は、このような新しい教育の理念と実践のなかで、従来の古い概念や様相を脱して、生気にあふれた展開を示しはじめているのです。

フランスをお手本に 3

職業教育の分野についてみると、18歳までの勤労青少年の補習教育は今日もなお続いています。

しかし、義務教育年齢が16歳まで引き上げられると、その実質的な意味が大きく変化してきました。

そこで1959年にプロモシオン・ソシアル法が定められ、たんに勤労青少年に補習教育を与えるのでなく、技術革新の進む現代社会に必要な、継続的な職業能力や資格の向上を図ることができるようにしました。

これは、フランスではとくに厳密に区分されている職業上の資格を、働きながら社会での学習を通して獲得していける制度を確立したものです。

第1段階では初級の職業適任証を、第2段階では中級の特任技術員証や中等技術教育修了証を、第3段階では上級技術者免状を取得できる道が開かれたのです。

このための学習の機会としては、国民教育省(文部省)、労働省、農務省、および大学や技術教育の学校。

さらに、さまざまな職業団体が提供する学級、講座、通信教育などがあり、さらに1971年には教育休暇の制度が定められました。

これで勤労者は、一定の条件のもとで有給休暇を得てこれらの学習に参加できるようになったのです。

これはまさに職業生活と学習生活の相互交流だといえるでしょう。

フランスをお手本に 2

最近の学校教育の特徴的な動きについて。

教育改革によって義務教育期間が延長され、学校教育の内容が拡大してくるにつれて、教育の進め方について新しい工夫が試みられるようになりました。

初等教育の顕著な動きとして、1969年から実施されている3区分教授法があります。

これは1950年から試みられてきた2区分教授法がかなり成果をあげたので、それをさらに発展させたものです。

2区分教授法では午前を主として知的な学習に、午後を主として体育やレクリエーションにあてていましたが、3区分教授法では教科目を週あたり、

(1)基礎科目(国語10時間と算数5時間)、
(2)目ざまし教科(道徳、歴史、地理、観察、図工、音楽、合計6時間)
(3)体育(6時間)

・・・で編成し、(1)基礎科目を午前中にして基礎学力の向上を図り、(2)目ざまし教科はできるだけ生徒の自発的な学習を促して創造力を伸長させ、(3)体育は従来の3倍の時間をあてています。

また、(2)と(3)は午後の時間に行い、全体として子どもの知的な発達を身体や感情の健全な発達と調和させ、楽しい学校生活を過ごさせようとするものです。

これは、従来とかく主知主義に陥って知育偏重の傾向が強かった教育の改善をめざすもので、この方法はしだいに就学前教育や前期中等教育にもとり入れられようとしています。

もう1つの動きは、1972年の春から、従来日曜日のほかに木曜日が学校の休日であったのを水曜日に改めたことです。

週の途中に休日があることは、フランスでは義務教育制度が成立したときから行われているもので、公立の義務教育の学校では、宗教的中立を保つために、学校ではいっさいの宗教教育を行わず、かわりに週の1日を家庭の自由意志にもとつく宗教教育の日と定めたのです。

この宗教的理由による学校の休日を木曜日から水曜日に改めたことは、その方が1週間の生活リズムによりよく適しています。

子どもの健康的な成長発達にとってよりよいと考えたからです。

また民間の体育クラブなどは、この日を利用して児童生徒を対象にした活動を行っているものが多いです。

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